Trip to Tibet and North Korea Vol.2

チベットへの道は厳しい。ラサの標高で3600メートル、富士山よりちょっと低いぐらいだ。ちょっと郊外に行くと、酸素が地上の半分、 樹木も生えない標高5000m、人間が生存できる限界の高度だ。
ここで問題となるのが、高山病。高山病は年齢や、性別、体力の有無など関係なく、かかる人はかかるらしい。体の状態を自分でコントロールできないのは、嫌な気分だ。結果的には、ちょっと眠たくなったり、頭がすこし痛くて寝つけられない程度だったが、高山病に対する恐怖心が薄れることはなかった。
チベットと言えば、3月に騒乱が起きたばかり。町は武装警察で埋め尽くされ、主要な道路はいたるところにチェックポイントが設置してある。前回騒乱の導火線となったチベット寺院については、厳重な警備態勢が敷かれている。漢民族の僕にとっては、非常に安全な環境だといえるが、チベットの人たちはどう感じているのだろう。
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チベットが注目される理由の一つとして、その独特な宗教にあるのだと思う。しかし、文化的にも、宗教的にも、チベット民族は、大陸の文化に強く影響されていることが確認できた。僧侶の数は1945年時の10分の一にも満たないし、チベットの民族的な服装を着用している人は非常に少ない。町の看板は確かにすべて漢字とチベット文字の両方で書かれているが、チベット文字は申し訳程度におかれている場合がほとんどだ。そもそもラサ市の3割の人口は四川省からの移民だと聞いた。もちろん今でも、一般的な住民のチベット宗教に対する信仰は厚いが、これからの若い世代に関しては未知数だ。
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チベットの騒乱は、その観光業に大きな打撃を与えた。海外の観光客は政府の規制でほとんどチベットに入れないし、大陸からの観光客も5割以上減少しているとのこと。これはただでさえ貧弱なチベット経済にも影響を与えていると思う。僕が見る限り、チベット独自の産業といえるものは農業しかない。チベットの山岳帯に生息する牛科の動物「ヤク」の飼育とハダカムギの栽培である。その農業ですら、野菜と米を十分に調達できないので、内地から輸入するか、四川人が育てる温室野菜を買うしかない。第二産業に関しては、軽工業もないに等しく、ほとんどの商品を大陸から輸入している。このような状況下で、チベット人の暮らしが、漢民族よりよくなることは考えにくい。
チベット社会の不安定は、経済的な要因もある。漢民族とチベット民族の格差だけではなく、チベット民族内部でもかなりの収入の差が見られる。観光客を相手にしている、または気候や地形の関係で高価な農産物を収穫することができるチベット人は、それなりに豊かだし、内地の支援も受けているので、現状にそれなりに満足しているものだと思う。しかし、北に行けばいくほど、伝統的な生活スタイルを保ち、市場経済にうまく入り込めない人々を目にする。もちろん、中国内地の格差も相当すごいものがある。格差自体はある程度仕方がないと思うが、格差の形成過程が非合理的である場合、社会が安定的に成長するのは難しいと思う。
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