Subprime lending and real side of economy

Canicula のニュースの視点 vol.2
全体に引き続き、サブプライム問題を取り扱ってみたいと思う。
先月から今月にかけて大手投資銀行の決算が続々と出ている。
堅実だと思われていたモルガンスタンレーも損失を出していたし、UBSはなんと3960億円の損失をサブプライムで出した。ちなみに、トヨタの連結経常利益は一兆円である。
そして、米国の各種指標も徐々に良くない方向へ転じている。
雇用統計では4年ぶりのマイナスを記録している。
また、大型の買収案件の行き詰まりも顕在化している。
その中で、ただ株式市場だけが堅調に上昇を繰り返している。
ss-subprime.jpg
一般的に、株は将来の経済状況を反映しているといわれている。
ということは市場のコンセンサスとして、「実体経済の未来は明るい」、というメッセージがあるのだと思う。
確かに、いまの世界経済は30年ぶりの景気だといわれているし、日本の企業にしても業績はかなり好調だ。また、サブプライムが経済全体に占める割合は、数値上それほどのインパクトはない。
だが僕は、想像以上にサブプライムが実体経済に与える影響は大きいと思う。
ここの数十年で企業は銀行オンリーの資金調達を相当多様化してきた。日本においても、資本コストや株主利益といった考え方が徐々に浸透し、それに関連したマーケットも形成されてきた。
これが意味するところは、企業は銀行からの縛りを解いた対価として、金融市場に大きく影響されるようになったということだ。
資金調達以外にも、資産運用を積極的に行う企業も増えてきている。金融市場の流動性低下は、以前よりはるかに大きな打撃を企業に与えるものだと思う。
それ以外にも、企業の本業でもファイナンスが大きくかかわるようになってきた。たとえば、アメリカの消費者は住宅の支払済みローンを担保に、クレジット消費を繰り返す。そこで住宅の価格が下がると、消費(とくに大きな買い物)が落ち込み、企業に決定的な影響を与える。
つまるところ、市場のコンセンサスはまだ昔のパラダイムで形成されており、本来の状況をうまく織り込んでいないのではないかと思う。
もうひとつ注目に値することは、新興市場がほとんどサブプライムの影響を受けていないのだ。むしろ、先進国から逃げてきた資金が流れ込み潤っている。それを実証するのが、先月の中国と台湾の利上げだ。アメリカの利下げとは非常に対照的である。
お金に国籍はない。ここまで一体化した世界の金融マーケットを、先進国の中央銀行の連携だけで乗り切れるのかどうか疑問である。
法律的な問題(独占禁止)なども含めて、世界的な経済調整機構(欧州中央銀行の世界バージョン)が誕生することを期待する。

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